黒ビールというと、アイルランドの「ギネス」を思い浮かべる方が多いかと思います。あのスタイルこそが、「スタウト」と呼ばれている種類です。スタウトが登場するまで、黒ビールといえばポーターで、イギリス・ロンドンを中心に飲まれていました。スタウト(stout)とは元々「誇り高い」「勇敢な」という意味の英語の形容詞で、やがて「強い」という意味も持つようになりました。ポーターの人気が高まるにつれさまざまな種類のポーターが編み出され、その中で「スタウトポーター(stout porter)」、つまり「強いポーター」というビールが作られました。今ではスタウトというと黒ビールのことですが、当時は黒ビールに限らず「スタウトペールエール(stout pale ale)」といった表現もありました。
ポーターの一種類から派生したビアスタイルなので、ポーター同様スタウトも常温発酵(上面発酵)のエールです。今となってはポーターとスタウトにははっきりとした区分けはなく、ダークエールを醸造するブルワリーは「ポーター」か「スタウト」かどちらかに呼び名を定めていることがほとんどで、日本ではどちらかというと「スタウト」と呼んでいるブルワリーの方が少し多い印象です。ごくまれにポーターとスタウトを並行して醸造しているブルワリーもあり、その場合はレシピに少し差をつけて別のビールとしているようです。
337 Aleでこれまで取り扱ったスタウトの一例
▲箕面ビール 大阪府箕面市
商品名:スタウト
アルコール度数:5.5%
▲宮崎ひでじビール 宮崎県延岡市
商品名:限定醸造 スタウト
アルコール度数:6%